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空羽ファティマからメッセージ
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朝日新聞連載コラム<生まれてきてくれてありがとう>49
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    『人はみな弱いからこそ』


     私の著書が愛と命をテーマにしているからか、いじめや自殺についての講演を学校から依頼される。

     今の子は冷めていると言われるが、本気でストレートな言葉で語りかけると、今まで誰にも打ち明けられなかった本音を感想に書いてくれる。学校ごとに多少の違いはあるが、手首を切ったことがある、死にたいと考えている、と告白してくれる生徒もいる。

     彼らの親は、自分の子がそんなことを考えているなんて思いもしないだろう。私は、必死にならずにはいられない。見ず知らずの他人の私でも、本気で話せば、「今日、空羽さんの話を聞いて生きたいと思えた」と言ってくれる。誰よりも彼らを愛しているママやパパが心を込め、彼らの命の尊さを伝えたなら、もっと彼らの心にしみるに違いないと思うのだ。

     かつて白紙の感想文が一枚だけあった。それは、今も私の心に引っかかっている。文字のないその紙を、丸めて捨てずに私に渡そうとした声なき声のSOSを受け止めたいと思う。

     死を考えているなんて、心配をかけたくなくて、親には言えない。10代は大人が思うよりずっと傷つきやすく、つらい時代だ。うちの子だけは大丈夫だなんて思わないで。強い10代なんていない。悩み苦しまない10代なんていない。

     そして、どんなに反抗し強がっていたとしても、反抗し強がっていればいるほど、彼らの心の傷は深く、優しさを求めている。そのひび割れた心を癒やす力を他の誰よりも持つのは、そう、あなたです。今このコラムを読み、心が震えたあなたこそが、その力を持つのだと思います。

     こんな荒れた世の中だから、子どもだけでなく大人も、みんなが心に傷を持ち一日一日を必死に生きていくしかない。遠くの未来を考えたらどうしようもなく不安になるから、まず今日1日を生き抜きましょう。

     人はみな弱い。弱いからこそ優しい言葉を求め、ぬくもりに癒やされる。

     「行ってきます」と言わない背中に、「行ってらっしゃい。気をつけてね」と声をかけ、言葉のお守りをその体に着けて見送ってほしい。心の中で彼らはきっと思ってる。「ゴメンな」って。素直になれないからって、ママを嫌いなわけじゃない。そんな日もすぐに思い出になる。


    (文・空羽(く・う)ファティマ 切り絵・海扉(かい・と)アラジン)

    2012年9月7日掲載文



    | 朝日新聞「うまれてきてくれてありがとう」 | 12:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - |









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