朝日新聞連載コラム<生まれてきてくれてありがとう>34
2011年1月20日掲載

『学校に疑問を感じた時』
子供の担任に言いたいことがあっても言いにくいというママは多い。「だって子供を人質に取られているようなものですもの。うるさい親と思われてシワヨセが子供にいったらと思うと」と。
アメリカ留学時に自己主張の大切さを痛い思いをして学んだ私ですら、いざママの立場に立ってみるとその気持ちも理解できた。もちろん、安全に関することは言うけど、他のことはなるべくがまんしようか……とか。
でも、子供は学校と親の双方が手を取り合い育てていくべきだ。
ある日、直されてきたテストに疑問を持った。「あなたならドングリコマの作り方を友達にどう教えるか?」の問いに、娘N(8)は「用意するものはドングリとようじです。ドングリにはお顔とかかくとかわいいと思います」と答えていたが、採点では、赤ペンで顔をかくというのは不要だと消されていた。
問題は「教科書にどう書いてあるか?」 ではなく各自の自由な答え方でいいはずなのに、これは変だと私は思った。しょんぼりしているNに「ママなら花丸つけるよ!」とテストに大きく花丸をつけてNの頭をなでた。
このことを連絡帳に書こうか一瞬悩んだが、表現力について、ここは大事なことだと思った。疑問に感じたことはそのままにせずに堂々と聞くということをNに教えたかったし、大人同士で陰でやり取りするのは良くないと思ったので、Nの前で、ママはこうに先生に書くね、と読み上げながら、連絡帳を書いた。
次の日の先生からの返事には「Nちゃんの工夫して答えた箇所を消してしまったのは改めて考えると失礼でした。いつも簡潔な答えを書く指導をしているので、つい、うっかりせっかく工夫してNちゃんが書いた文章を消してしまいました。忙しいことを理由にせず、もっと子供たちの内面を見ていこうと思います」と、心あるお返事を書いて頂けてほっとした。
そしてNに言った。「こんな風に間違いは間違いと言ってくれる先生は立派だとママは思うよ。こうやって勇気を出して聞いてみるものでしょう?」と。
確かに先生は忙しく一人一人に適した指導は大変だと思うので、ただ、先生を責めるのではなく感謝の言葉もきちんと文章に表し、疑問に思うことはきちんと聞くことによってお互いに信頼関係ができ、子供たちにとってより良い環境が出来ていくのだと思う。
だからママよ、勇気がいるけどもっと声を上げましょう!あなたの子供の為だから。 黙っているだけでは何も変わらないと思うから。(文・空羽(く・う)ファティマ)










